「生きること」 続編

「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」

手を振ってお見送りをする。

わたしが作ったお弁当を持ち、今日も黒木さんは出勤して行った。

まだこの現実世界に来たばかりなので、黒木さんは分からないことが多く、食べることからお風呂に入ること等、人間にとって当たり前のことを少しずつ覚えていっている途中だ。

黒木さんを見送ったあと、わたしも自分で作ったお弁当を持ち、出勤する。

特に変わり映えのない平凡な毎日だが、幸せだ。
黒木さんと一緒に居られる、それだけでわたしには充分だった。
わたしはこの平和で穏やかな日々が、毎日続くことを願いながら生活をしている。

しかし、このときはまだ予想もしていなかった。

この穏やかな生活があんな形で乱れ、崩れ落ちそうになるなんて――――





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