君が私を見つけてくれた。
「私も…詩音くんのことが好きです…!」





「え…?」


我に返って思わず
「いっ、今のは忘れてください。」




あぁ、
散ってしまった。静かに。人知れず。初恋が…


校舎裏の薄暗い路地に逃げ込んだ。
そして目頭が熱くなり、ほおに涙が伝った。

……………



「………っぅうっ…っ…ぅっ……」


声を殺しながら泣いた。のに。

「なんだ?って天川?」

いや!こっちのセリフ!


佐竹くんがいる。

なんで私の名前をしっているんだろう。

けど涙は引っ込まなくて、


「ひっ……うっ…な…んでも、な…いで…すっ…うっ…」


嗚咽混じりに言う。

「どうした?」

なぜか優しそうな口調で言う。


「うぅっ、なんでもっ、ないです。ぐすっ。」

「いや、どう考えてもなんでもないわけじゃないだろ。」

「すみませんっ。」


思わず逃げてしまった。
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