チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~
そんな凪の肩を、ポンと叩き…シチローが言った。
「ちょっと油断しちゃったから♪…でも凪、まだ作戦はあるから♪」
「えっ?…作戦?」
信じられないといった表情の凪に、シチローは腫れあがった顔でニッコリと笑いかけた。
「まだ勝負は終わってないよ!さあ、第2ラウンドが始まる。セコンドアウトだ」
そう言って、椅子から立ち上がるシチローを、凪は呆気にとられて見ていた。
「あれだけ一方的にやられてるのに…
ねぇ、ティダ…作戦って一体何なの?」
凪は、格闘技の心得があるてぃーだにその真意を尋ねてみるが…
てぃーだは両手を肩先で広げて首を傾げた。
「さぁ、アタシには…
ただひとつ判っているのは…
シチローって根っからの『負けず嫌い』って事位かしら…」
「負けず嫌いって…
そんな事で…」
そして、そんな2人の心配をよそに第2ラウンドのゴングは無情にも鳴り響くのだった。
カァーーン!
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