チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~
第1ラウンドから学習したシチローは、今度は安易に隊尊の懐に飛び込んだりはしない。
「どうした♪そんなに離れていては私を倒す事なんて出来んぞ♪」
「うるさい!作戦だよ!作戦!」
隊尊から距離を取って、リングの中をグルグルと回るシチローを見て子豚が呟いた。
「どう見ても、逃げ回ってるようにしか見えないんですけど…」
シチロー…本当に作戦なんてあるのだろうか…
そんなシチローの振る舞いに、観客からは大ブーイングが浴びせられる。
「バカヤロウ!逃げてないで闘え~!」
「隊尊~!そんな野郎さっさと殺しちまえ~!」
「ほらほら、観客もおかんむりだぞ!覚悟を決めてかかって来たらどうだ!」
第1ラウンドで圧倒的に優位に立っている隊尊は、余裕の表情でシチローに誘いをかけるが…
「うるさい!作戦だって言ってるだろ!
大体、これファイナルステージだろ?何でmotherが出て来ないんだよ!」
急に話の矛先を変え、
シチローは、会場のどこかに居るであろうmotherを挑発するように、大声で叫んだ。
「おいっ!mother~!
こんなザコキャラ出してないで、お前がオイラと勝負しろっ!」
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