チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

「これ以上シチローなんかに任せておけないわ!」


なぜか『悪役女子プロレスラー』コスチュームの子豚とひろき。


それぞれの手にはパイプ椅子とビール瓶を持ち、二人は『mother』の方へと近付いて行った。


「要するに、あの『mother』って機械をぶっ壊せばいいんでしょ?私達がこれで鉄くずにしてやるわ!」


子豚にしては、なかなか鋭い所に気が付いたものだが、果たしてそう簡単に行くかどうか…











「…とにかく、あと1ラウンドで勝負が決まる。勝てるかどうかは判らないけれど、最後まで頑張ってみるよ♪」


そう言って立ち上がったシチローは、ポンと両手のグローブを合わせると再び凪の方を振り返り、穏やかに微笑った。


「どうか、タオルだけは投げ入れないでくれよ、凪♪」





そして、運命の第3ラウンドのゴングが会場に響き渡った。





カァーーーーン!



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