チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

「おい!八平!
お前また、他人様に迷惑かけているのか!」


少し離れた所から、その男を叱咤する声が聞こえた。


男の名前は『八平』というらしい。


その声のする方を見ると、そこには、逞しそうな男が二人と、その間に挟まれた品の良さそうな老人が立っていた。


「どうもすみませんな…ご婦人どの、うちの八平が何やらご迷惑をおかけしましたようで」


「いやぁ~こちらこそ♪余所見してたの、実は
コブちゃんの方なんですよ♪」


シチローは、その老人に向かって笑って答えた。


そして、ものはついでとその老人に問い掛けた。


「ところで…オイラ達、ジュース売ってる所を探してるんですが、お爺さん売店か自販機の場所知ってませんか?」


「じゅう……何とおっしゃった?」


ジュースや自販機など、この時代に存在しない言葉を聞いて、老人は首を傾げる。


不思議そうな顔をする
老人を見て、シチローは老人の方へツカツカと歩み寄って、耳元で更に大きな声で質問を繰り返す。


「あ~の~ねぇぇっ!
おじい~さんっっ!」


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