チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~
表向きは江戸きっての呉服屋である越後屋。
だが、勿論それは表向きの姿…裏では現在の大手ゼネコンのように、役人との黒い繋がりによってその膨大な利益をもたらしている。
そんな越後屋兵部衛は、今夜も行きつけの料亭で宴会をしていた。
「いやあ~♪今宵も愉快に宴会じゃ♪さぁ~芸者、酌をしなさい♪」
馴染みの高級料亭で、赤い顔をして上機嫌の越後屋のお座敷に、今夜チャリパイとお銀は潜入していた。
越後屋には見えないように顔の向きを変えて、
ひろきが子豚に耳打ちする。
「毎晩のように宴会なんて、越後屋ってたいそうな身分なんだね…」
「まったく、世の中を
ナメてるんじゃない?」
自分達の事は棚に上げて、越後屋の陰口をたたくチャリパイの宴会部隊。
「さぁ、お三方♪それじゃ行くわよ♪」
お銀に促されて、芸者姿の四人は明るい笑顔をたずさえて越後屋のもとへと駆け寄った。
「これはこれは~越後屋の旦那♪『銀やっこ』と申します~今夜は宜しくお願いいたします♪」
お銀に続いて、チャリパイも笑顔で挨拶。
「『春やっこ』と申します~どうぞお見知りおきを♪」
「あたしは『夏やっこ』です♪ヨロシク~♪」
「私が『冷やっこ』どすえ♪」
あえて説明しなくとも、読者諸君には誰が何やっこなのかわかるのではないだろうか……
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