チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

船着き場の荷車の周りには、チャリパイ、水戸の御一行……そして越後屋、悪代官、大目付の大隈、さらには事情を知る部下達十数名が鉄砲の入った木箱を挟んで向かい合っていた。


元々、強面の悪代官が更に怖い顔で脅しをかける。


「お前達はどうやら、見てはならぬものを見てしまったらしい。かくなる上は、全員死んでもらうより他は無いな」


相手は、たかが日雇いの荷運び。口封じに殺してしまっても何も問題は無かろうと代官は思っていた。


しかし……代官の言葉に震え上がるだろうと思っていた目の前のこの連中は、震え上がるどころか楽しそうに目をキラキラと輝かせているではないか。


「お前達!何が可笑しい!お代官様の言っている意味がわかっておるのか!」


越後屋が強い口調でそう言うと、シチローがにこやかに答えた。


「なるほど♪見てはならぬものですか……
それならば、こちらも
あなた達に見てもらいたいものがあるんですがね♪」


「見てもらいたいものだと?」


越後屋、悪代官、そして大目付は訳が解らないという風に首を傾げる。


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