チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~


真っ白な顔に、離れて垂れ下がった眉と目。


シチロー達の目の前に座っていた上様は、あの
『バカ殿』にそっくりの顔をしていた。


思わず『バカ殿』と叫びそうになる子豚の口を、シチローが慌てて塞ぐ。


「どうした?余の顔に何か付いておるか?」


「い、いえ…別になんでも……」


そう言って作り笑いを浮かべながら、シチローは……


(何か、あの大目付の
大隈って奴の気持ちも分からないでもないな…)


などと不謹慎な事を考えていた。




そんな事には全く気付かないバカと…いや、上様は、笑顔でシチロー達に労いの言葉を投げかけてくれた。


「この度のその方達の活躍、誠にあっぱれであった!しいては、その方達に褒美をとらせようではないか♪」


< 198 / 211 >

この作品をシェア

pagetop