チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~
「御隠居!オイラ達、
もう帰るから!」
「えっ?なんとも急な……それでは、表の門まで見送りを……」
「いや、御隠居おかまいなく。そんな時間も無さそうなんで!」
タイムトンネルが消えるまで30秒しかないのだ。シチローがそう言うのも無理はない。
その中でも、一番慌てている子豚が、みんなをせき立てる。
「みんな!こうしちゃいられないわ!早く走るのよ!」
その声に合わせて、てぃーだ、ひろき共に廊下を走り出そうとすると、背後からシチローが声をかけた。
「ちょっとみんな!そっちじゃないよ、こっちだ!」
「えっ?…こっちって…」
子豚達三人の頭に『?』マークが浮かぶ。
シチローが指差す方向には、どう見たって通路なんか無いからだ。
「今から階段駆け降りて間に合う訳無いだろ!
屋根から飛び降りるんだよ!」
「えええぇぇぇ~~~っ!!本気で言ってるのぉぉ~~!」
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