チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

そんな、ちょっぴり悲しいサザエさんを観ているうちに、車は研究所に到着した。


一風変わった、建物の両端が角の様に空へ向かってそびえ立ったその研究所の形状は、例えて言うならば


そう………





『サリーちゃんのパパの髪型』みたいな形だ。
(解りにくい例えだ…)


この研究所の中に、凪の言っていた対『mother』の最終兵器『バーチャルRPGシステム』なる物が存在するという。


建物の中に入ったシチロー達は、そこで凪に白衣を着た白髪の老人を紹介された。


「皆さん、この方がこの研究所の所長、そして『バーチャルRPGシステム』の開発者でもある瀬川博士です」


瀬川と紹介されたその博士は、シチロー達の事をまじまじと見回してから怪訝そうに凪に向かって言った。


「凪君の推薦する人間だから、どんな連中が来るかと思ったら…大丈夫かね?この人選で…」


瀬川は、シチロー達の頼り無さそうな第一印象に不安そうに溜め息をもらした。


しかし、凪は強い口調でこう答えたのだ。


「いえ、博士!この4人こそが人類の未来を救える救世主になると私は信じています!
チャーリーズの皆さんの悪運の強さといったら、それはもう奇跡的な位なんですから!」



…悪運の強さだけかよ……


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