チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

50メートル程走り出してから後ろを振り返ってみると、T9000はまだ傘を回していた。


「いつまでやってんだ…アイツ…」


呆れた顔で暫くT9000を見ていると、ようやくシチロー達がいなくなっている事に気が付いたのだろう…慌てて側に停めてあったバイクにまたがりT9000が追いかけて来た。


「やっと気が付いたよ…本当に最新型なの?アレ…」


「でも、イケメンだから許すわ~♪」


やってる事は少々間抜けだが、何しろ顔はトム・クルーズである…大型のバイクにまたがって追いかけて来る姿は、まさにハリウッドの主演男優そのものだ。


「なんか、アタシ達が悪役みたいに感じるのは
気のせいかしら…」


白煙を撒き散らして走るオンボロタクシーの中、てぃーだが複雑な表情で呟いた。


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