チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

それにしてもこのタクシー…相当にガタがきている様である。


最初50メートルも差がついていた筈のT9000のバイクが、あれよあれよという間にすぐ後ろまで迫ってきていた。


「シチロー!何やってんのよ!もう追い付かれちゃったじゃないの!」


後部座席の子豚がシチローの背もたれをバンバンと叩いて喚きちらすが、こればかりはどうしようも無い。


「文句があるなら、こんなオンボロタクシー送って来たメルモさんに言ってくれ…もうこれでアクセル目一杯だよ…」


「そんなの気合いで何とかしなさいよ!シチロー!」


「気合いで車が速く走るかっ!」


子豚とシチローがそんな言い争いをしているうちにも、T9000はバイクをタクシーの横にピッタリと付け、持っていたマシンガンをこちらに向けていた。


「キャアア!横に来たわよ!」


そして、今にも引き金を引こうとしたその時!



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