チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~
これでまた、暫く時間が稼げるといったところだが…
この時、シチロー達には新たに別の問題が発生していたのだ。
その事に最初に気付いたのは、凪だった。
「シチロー…あれ見てよ…」
そう言って凪が指差したのは、タクシーの前方に大きく広がる海だった。
「えっ?どうしたの凪…海がどうかした?」
「いや…海じゃなくて、この道…あの海の手前で行き止まりになってるわ!」
「え?・・・・」
見ると確かに、このタクシーが走っている直線道路は海の手前でパッタリと途切れている。
「本当だ…それじゃあ、引き返して……って…」
引き返せる訳が無い。
後ろからは、バイクの横転など全くこたえない
T9000が、バイクを起こして再び後を追って来ていた。
「しまった~!
逃げ道が無い!」
.