チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~
まるで風船のようなお腹を二つに折り曲げて、礼儀正しくシチロー達にお辞儀をする、レストランの男。
鼻の下で、くるんと巻き上がった髭をたずさえたその愛嬌のある笑顔は、とても親しみをおぼえる印象だ。
「わたくし、このレストランのオーナーをしております『ピエール』と申します♪どうぞ、お見知りおきを~♪」
愛想の良いピエールを見て少し安心したのか、シチロー達はそのレストランへ入る決断をした。
「ところで、こういう店って結構高いんじゃないの?…金、足りるかな…」
こんな時には大抵「経費だから」と言って奢らされるシチローは、心配そうに財布の中身を確認した。
その様子を見た凪が…
「あれ?それって確か『福沢諭吉』よね…
シチロー、今時そんなお札出したら笑われるわよ♪今の一万円は『石原裕次郎』なんだから♪」
「ええ~っ!ホントかよ!…じゃあ、千円札は誰なの?」
「千円札は『舘ひろし』よ♪」
「ウソ…信じられない…」
ちなみに、五千円札は
『渡哲也』で…
問題の二千円札は……
『石原良純』なのだそうだ。
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