チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

ピエールは、この最初の勝負に選出した第一の刺客を、自信満々の様相で紹介した。


「ソムリエ対決と言えば、この男を置いて他にあるまい!我がクイ・ダ・オーレのNo.1ソムリエ~『ムッシュ高見沢』!」


そのピエールが掲げた右手側から現れたのは、背の高い痩せ型の男だった。


髪の色も瞳の色も黒い、少し神経質そうな顔立ちをしている。


さしずめ血液型は、几帳面なA型といったところか。


もっとも…バーチャルワールドの住人に血液型の設定があるかどうかは、定かでは無いが…


「このレストランのソムリエを任されています…『高見沢』と申します。どうぞお見知りおきを」


戦いを目前にして、この冷静沈着な態度…もはやチャリパイなど相手にしていないといった風にも見える。


「プロを使うなんて卑怯じゃないの!」


ピエールのこの人選に、子豚が猛然と抗議したが…その抗議を制止したのは、なぜか味方のシチローだった。



「いやコブちゃん、この対決…案外面白い事になるかもよ♪」


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