極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


「……にちかさん、って?もしかして推し活の相手のお名前?」



そんなことを知って彼に何の得があるというのか、、やたらと私の推し活事情を知りたがる西園寺殿に対して違和感を覚える。



「ち、違います…にちかさん?誰だろう?知らないです、聞き間違いです。」


「お嬢は嘘が下手だよね。それってもう肯定してるようなものだと思うけど」


「……西園寺殿、この前からなんか変だよ」


「えぇ…それは傷つくな。カッコイイって言葉はよく言われるけど…変人扱いされるのは慣れないなぁ」



清々しいくらいのナルシストだが、それを言っても許されるほど彼は整った顔をしている。本当に、少女漫画に出てくる王子様みたいな─…



「……もう、行かないと」



王子様には裏がある、なんて設定はよくある事なので…最近怪しさが増している彼には関わらない方が良いような気がする。のでひとまず立ち去ろうと決意したとき、、



「……英里ちゃん、少し前の飲み会帰りになにか落し物を拾ったりしなかった?」




飲み会帰り─…落し物?



突然”英里ちゃん”なんて真面目に呼んできた西園寺殿が気になり、席を立つのをやめて彼をジッと見つめる






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