極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「お前の片割れ、いまウチの屋敷にいるけど」
「……っは、なんで……光っ、」
「なんで?理由が分からねぇなら教えてやる」
静かな口調で語る仁睦さんからは、なんとも言えない雰囲気が漂っていてとても声をかけるようなマネは出来なかった。
初めて出会った時と同じように、黒い塊を何処からか取り出した仁睦さんは…ソレをニセ光くんの額に押し当てた。
「っあ…あの、、」
「コイツを連れ回すってことが、何を意味するのか─…身をもって思い知ればいい」
カチャ…っと金属がぶつかるような音がして、このままでは目の前でニセ光くんの額を弾丸が撃ち抜いてしまうように思えた。
「も、申し訳っ…ありません…おれは、ただ」
「あー…謝れ、なんて言ってねぇよ。聞いたところで気は変わらない。お前にはここで消えてもらう」
「っ、申し訳ありませんでした…俺たちは」
「─…うるせぇな、誰が喋っていいなんて許可した?」
終わった、というように…まるで絶望したかのような表情を見せるニセ光くん。そんな彼をあざ笑うかのように、銃口で彼の前髪を横に流した仁睦さん。
正直、目の前の彼に対してなんの感情も無いが顔がとにかく光くんにそっくりなのでここで始末されてしまうと余計なトラウマがもう一つ増えてしまいそうな気がする。
震える手をゆっくりと動かし、ニセ光くんに向かって伸ばされている仁睦さんの腕を強く握った。