極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「……新次郎、」
っと、ここでランプの魔人を呼び出した仁睦さん。それによって車の前方にいた新次郎がこちらに向かって歩いてくる。
「聞いてたよな?お前、コイツら連れて車で屋敷まで戻ってこい」
「了解です」
新次郎は仁睦さんに言われた通り目の前の車に乗り込むと、運転手の頭に黒い塊を押し当て席を退くように脅してみせる。
その後あっさり運転席から降りてきた男性が後部座席に乗り込み、ニセ光くんの隣に座ったのを確認した所で…仁睦さんはスライド式のドアを思い切り閉めた。
その手が血にまみれているのが見えて思わず彼の手をそっと掴んでしまう
「っに…ににに仁睦さっ、血が、」
「……誰のせいだろうな?」
冷たい視線を私に寄越して、触れていた手を逆に握られてしまい…そのまま腕を引かれ先程まで新次郎が居た車の前方へと連れていかれる。
徒歩で帰るのかな?なんて思った直後、視界に入ったオートバイが一台。
……え、これに乗ってきたの?
「新次郎は族上がりだからな─…車を走らせるよりアイツにバイクを運転させた方が何倍も速い」
なんとっ…あの人、ぼーそーぞくでしたか!!