極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜

─…っていうか、、


「仁睦さんも、バイクの免許持ってるの？！」


推しがバイクに乗っている姿を拝めるなんて、そんな幸せなことは無いのですが─…



「……察しろ」


察する、とは？っえ…まさか無免許？！無免許でこれを今からうんてんっ、



「そんなガキみたいなこと、この俺がすると思うか？ぶっ飛んだ妄想してるところ悪いが、免許ならちゃんと持ってる」



──…なんで、バレた？



「顔に全部書いてある。お前の考えなんてこっちは手に取るように分かる」


「……怒ってますか？」


「あぁ…今日は怒ってる。お前は俺との約束を破ったんだ…それなりの報いは受けてもらう」



仁睦さんは私の両脇に手を滑り込ませると、軽々と身体を抱き上げてバイクのシートに座らせてくれた。─…何だこれ、キュンです。




その後すぐに私に背を向けて仁睦さんがバイクに跨ったのを確認して…何も言われていないのにその背中にギュッとしがみついた。



「─……英里、バイクは平気か？」


なんて思いやりを忘れないところも大好き。


正直に言えば…バイクの二人乗りなんて人生で初めてなので平気かと聞かれると分からないが─…運転手が仁睦さんなら、なんでもいい。



返事をする代わりにしがみついた腕に力を込めて静かに頷いてみせれば、それを答えと受け取ったのかバイクのエンジンがかけられた音がその場に響いた。



「ちゃんと掴まってろよ、英里」


なんてキュン死確定の名言が耳を掠めた直後、バイクがゆっくりと走り出し─…



推しとわたしの真夜中のツーリングデートがスタートしました。