極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「……ごめんなさい」
「なにが」
「黙って家を出たことっ、」
「違うな」
「…え?!えっとじゃあ、隠れて光くんと密会したこと、」
「そうじゃない」
……ん?他に何か悪いことしたっけ?
黙って家を出たことを怒っているとばかりに思っていたから…すぐに他の過ちに気付くことが出来なかった。
「スマホじゃなくて財布の中だ、って。なぜ黙ってた?」
あぁ…そっち?
なぜ黙ってたか、なんて聞かれても上手く答えられない。私自身…仁睦さんに嘘をつくことに罪悪感を抱かなかったわけではない。─…ただ
「………友達だからっ、」
「……は?」
「仁睦さんのことは大好きだけど、西園寺殿も私の大事な友達だから!だからあのカードを渡して何もかも丸く収まるなら…渡してしまおうって…思った」
他に理由なんてない、友達だからだ。友達だから見捨てられなかったって…それだけのことだ