極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


「……ごめんなさい」


「なにが」


「黙って家を出たことっ、」


「違うな」


「…え?!えっとじゃあ、隠れて光くんと密会したこと、」


「そうじゃない」




……ん?他に何か悪いことしたっけ?


黙って家を出たことを怒っているとばかりに思っていたから…すぐに他の過ちに気付くことが出来なかった。



「スマホじゃなくて財布の中だ、って。なぜ黙ってた?」



あぁ…そっち?


なぜ黙ってたか、なんて聞かれても上手く答えられない。私自身…仁睦さんに嘘をつくことに罪悪感を抱かなかったわけではない。─…ただ



「………友達だからっ、」


「……は?」


「仁睦さんのことは大好きだけど、西園寺殿も私の大事な友達だから!だからあのカードを渡して何もかも丸く収まるなら…渡してしまおうって…思った」



他に理由なんてない、友達だからだ。友達だから見捨てられなかったって…それだけのことだ



< 138 / 214 >

この作品をシェア

pagetop