極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「─…それから、例の双子のことだけど」
「………双子?」
「西園寺って、お前の友達だよ。なにお前…友達のくせにアイツが双子だって知らねぇの。」
これは…"知らない"といえば西園寺殿の身に再び危険が及んだりするのだろうか?!
「あ……ふ、双子!うんうん、例の双子ね!」
「……まぁいい。どうやらアイツらはお前の家に火をつけた黒幕では無さそうだ。別の組織に脅されてお前からブツを回収することを命じられていたらしい」
……やっぱり、光くんは悪では無かったんだ
「まぁだからと言って、お前を攫っていい理由にはならない。殺さねぇとは言ったが…それなりの報いは受けてもらった」
「っそ…それなりの報いって…?」
「明日、大学で顔を合わせたら分かることだ」
「……ん?っえ、大学行っていいの?!!」
「ダメだ、って言っても…お前が俺を裏切ることは目に見えてる。それなら初めから行かせておいた方が気が楽だって今日のことで学んだ─…いい加減、寝ろ」
ウトウトしはじめた私の様子に気が付いたのか、仁睦さんはゆっくりと顔を近づけてきて…ほんの一瞬、おでこに触れるようなキスを落とした。
「──…おやすみ、英里」
薄れゆく意識の中で、仁睦さんがそう呟いたのをしっかり聞いてから…今日も推しの腕の中で眠りについた。