極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


翌日、目が覚めると─…


「仁睦さんに、置いていかれたぁあ!!」


おやすみのチューをいただいた後、それはそれはとても安眠できまして。熟睡したなぁという自覚はあるものの…目が覚めてそばに居てくれないとやっぱり…寂しい。



ノソノソと布団から出て、襖を開けて廊下に出ると、「いつまで寝てんだよ、クソガキ」なんて寝起き早々に新次郎に喧嘩をふっかけられる



「起こしてくれたら良かったのに!!」


っと、新次郎の顔を睨みつけた瞬間…目に入ったのは目元や口元が赤く腫れ上がった痛々しい新次郎の顔。思わず駆け寄ってまじまじと顔を見つめてしまう。



「っど…どーしたのっ?!!」


「あ?どーした、なんてよく言えたもんだな?お前に逃げられた責任は俺にあるから…これはその責任の代償」



──責任の代償?


「お前の大好きな若頭サマは、加減って言葉を知らねぇ冷酷な人だから。身内だろーが容赦ねぇんだよ…まぁだから、信頼できるってとこもあるけどね」


「じゃあ…その傷は、仁睦さんが…」


「こんなもんでビビってたらお前、この先やっていけねぇぞ。今のうちに慣れろ…少なくともまだしばらくはここから出られねぇだろーし」



責任とか、ケジメとかって…よく分からない。どうして責任をとることが暴力と繋がるのだろうか?


そんな疑問をぶつけたところで住む世界が違うと言われて終わるのがオチだろうから口に出すことはできないけど─…欲を言えば、誰もケガなんてしてほしくない。



< 144 / 214 >

この作品をシェア

pagetop