極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


その後仁睦さんと会うことはなく、朝食を一人で済ませてから新次郎に大学まで徒歩で送って貰った。



「その空っぽの頭ん中に、しっかり知識叩き込んでもらえタコ」


なんて悪態をついて颯爽と消えていった新次郎の後ろ姿をべーっと舌を出して見送ってやった


昨夜迷惑をかけた友人、紗弓に是非とも謝罪をさせてもらおうと、早速彼女を探し始めたのだが、、紗弓を見つけるよりも前に、、



「……え、あれ光くんだよね?」


「西園寺くん、どーしたんだろ…事故?」


「てか…普通に大学来て大丈夫なやつ?!」



なんて気になりすぎる話題で持ち切りの構内。話題になっている張本人、西園寺 光の姿はいつも以上に目立っているせいで…すぐに見つけることが出来てしまった。



「……さ、西園寺殿っ?!!!」


私に名を呼ばれた彼はビクッと身体を震わせてから俯いていた顔を上げて─…悲痛そうな表情を浮かべてこちらに向かって歩いてきた。



「…ヒラリー嬢、無事で…よかった。」


っと、泣きそうな顔で言ってくれたこと自体はとても嬉しい。心配かけてごめんね、って言ってあげたいところだが、、



< 145 / 214 >

この作品をシェア

pagetop