極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「……ごめんね、英里ちゃん」
急にしゅん、と悲しげな顔をして謝った光くんを見て心が傷んだ。
「言い訳するわけじゃないけど、俺たちはただ金で雇われただけで…指示されただけのことをしてきたから、裏の組織がどんな人達で…どんな顔をしてるのかも…知らないんだ。」
「、、雇われてた…って」
「……闇バイト、みたいな。SNSで募集してた投稿を見て兄貴が始めたのがきっかけで…最近は俺も手伝うようになってて、、もしかしたらヤバいことに手を出してるかも…って思った時にはもう引き返せないところまできてた」
「どーして…"闇"だって知っててそんなバイト続けたの?」
「単純な理由だよ……お金が必要だから高額なバイトをしてたって、それだけ。」
お金が必要だ、っと言った時の光くんはなんだか辛そうで…その理由を知りたいとまでは思わなかった。
「でも…兄貴は俺には辞めて欲しかったみたいでさ。今回のことも本当は俺が関与するはずじゃ無かったんだけど…"カードを回収しろ"って内容のメールに英里ちゃんの写真が添付されてるのを見て……俺がやるって、言ったんだ。」
光くんの双子のお兄さんは確かに光くんを巻き込みたくない、みたいなことを言ってたのは私も覚えている。
コンビニで私を拉致したのも、光くんが関与することを避けたかったからなんだろうな…実際光くんのお兄さんが私に手を出してくることは無かったし。
「……ごめん、君を傷つけるつもりは本当に無かったんだ。それだけは…分かって欲しい」
腫れ上がった顔でそんなことを言われたら、もういいよ…って言うしかない気がする。
「………護衛係を頑張ってくれるなら、許す」
そう言って笑ってみせると、光くんは安心したように笑った。