極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


その後、2、3日寝込むことになったのだが…良く考えれば無理もない。いくら友達に似ている人とはいえ…突然車に引きずり込まれる、なんて体験は人生で初だ。



そんな体験をすれば人間少なからず何かしらの神経をすり減らして当然のような気もする。



大学を休む、と連絡を紗弓にしたかったのだがスマホが手元にないのでそれも叶わず。ただただ暇を持て余す時間を過ごすことになった訳なのですが、、この2、3日新次郎の顔を見ていないことも少し気がかりだった。




「Hey 新次郎!!」



と、床に伏せながら彼の名を呼べば…「失礼致します」と言って別の人が顔を出すというやり取りが何度か続いたので…新次郎を呼び出すのも控えている。



その一方で、遅くなっても夜には必ず私の部屋に来てくれるようになった仁睦さんが手厚く看病をしてくれるので、メンタル的にも体力的にもすっかり万全になりつつあった。




「仁睦さーん、そろそろ英里ちゃんと甘い一夜を過ごしたいとは思いませんか?」



今日もしっかり推しの腕の中に抱かれ、身体を密着させて"ムラムラしろ〜"と祈りを込めているのですが、、



「甘い夜ならもう既に今過ごしてるだろ。これ以上俺に何か求めたところで応えられない」




という、残酷な言葉が降ってくるだけで何も進展はない。


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