極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「遅くなったな…すぐに出られるか?」
急いで帰ってきてくれたのか、少し疲れているように見える仁睦さん。無理をさせているのではないか…と不安に思った気持ちを悟られてしまったのか、
「行かねぇなら、もう寝るか?」
なんて意地悪を言われてしまったので─…
「……着ていく服が無いんです。せっかくのデートなのに可愛い服がぜんぜんっ、」
「そのままでいい。どこかに立ち寄る訳じゃねぇし夜も遅いからな」
「…え、デートじゃっ、」
「車を降りる予定はない」
降りる予定は無い、と言われ…ほぼ部屋着姿のまま屋敷を出ることになってしまった。これは明日新次郎にしっかりと文句を言わせてもらおう。
車でのドライブデート、と聞いていたのですがお屋敷の駐車場に二人で向かった後…突然頭にフルフェイスのヘルメットを被せられ、視界が悪くなった。
「っあ…あの、仁睦さん?これは一体、」
「しばらくバイクで走る、黙って掴まってろ」
てっきりお屋敷の駐車場からドライブスタートだと思っていたのでバイクでツーリングデートというオプションがついてきたことに驚いた。
──…やっぱり可愛い服が着たかった!