極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


「……仁睦さんっ、」

「ユキは、俺が唯一何でも話せる男だった」

「あのっ…」

「なんで、お前がユキの写真を持ってる?」



なんでって、だからそれはっ─…



「……この写真に映ってるのは小学生の頃の私と、兄です」

「……兄?」

「由岐《ユキ》 万里《ばんり》は…私の八つ上のお兄ちゃんです」



仁睦さんの手の中にあるスマホを取り返して、写真フォルダに残る兄の写真をいくつか表示して…仁睦さんに見せた。


すると…どこか切なげな表情を浮かべつつも、嬉しそうに「ユキ…」と呟いてスマホを見つめている彼を見て…違和感を感じた。



「そうか…お前、ユキの妹だったんだな」


仁睦さんは…兄の名前を"ユキ"だと思っていたのだろうか?どこか抜けていた兄のことだからフルネームを名乗らずに苗字だけ名乗ったりしたのかな?




「……仁睦さんは、兄とお知り合いですか?」


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