極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
新次郎の発言が引っかかりながらも…私を貰ってくれると言った仁睦さんを信じようと思い、お屋敷に帰宅した私は─…
「あら、妹さん…お久しぶり」
あろうことか、屋敷の玄関で仁睦さんの許嫁サマに鉢合わせてしまった。
「…どうも、ごきげんよう」
なんて…普段使わないような言葉をつかって傍を通り過ぎようとした私の襟元を後ろから新次郎に強く掴まれた。
首がしまったみたいになって軽くむせ返った時、新次郎の手が後頭部に回され…強制的に頭を下げるようにキツく押さえつけられた。
「ちょっ、なに…」
「申し訳ありません、世間知らずなバカなガキなんで…どうか咎めなしで…お願いいたします」
えらくかしこまった新次郎がご令嬢サマに頭を下げる。抵抗して顔をあげようとしてもキツく押さえつけられていてかなわない。
「まさかっ…仁睦さまの妹さんに何かしようなんて、思うわけないでしょ。」
嘘くさい言葉とともに、仁睦さんの許嫁…美園グループのご令嬢サマは私の頭に乗っかっている新次郎の手を払い除けた。
「ねぇ…妹さん。良かったら一度…二人でお茶でもしない?」
「……お茶…ですか」
「ええ、美味しいパンケーキのお店を知ってるから…ご馳走させて」
出ました、みんな大好きパンケーキっ…全ての女子が好きだと思うな?私は甘いケーキ単品よりポテトチップスを食べながらチョコレートを食べたい欲張りな乙女なのだよ!