極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「──…なにしてる」
奥の方から出てきた仁睦さんが、私たち三人を見比べて眉間にシワを寄せている…って、これからお出かけですか?見たことのないセットアップに身を包み、きっちりと固められたヘアスタイル。
途端にギュッと胸が締め付けられる。
「ちょうど帰宅した妹さんとお会い出来たので、今度一緒にお茶でもどうかとお誘いしたところです」
甘えるように仁睦さんの腕に自分の腕を絡ませた美園のご令嬢にムッとして…軽く下唇を噛んで文句を言いたい気持ちを我慢する。
「……そうですか。せっかくですが…ウチの妹は礼儀も作法も全くダメなんで。一人外出させることは禁じておりますので…どうかご理解ください」
さりげなく私とご令嬢サマのタイマンをお断りしてくれた推し。その優しさに今度はキュンと胸が高鳴る。
「……そう。それは残念ね」
どこか腑に落ちない、といった表情を見せた彼女であったが…すぐにヘラヘラと顔面に嘘くさい笑顔を貼り付けて、、仁睦さんに身体を押し付けて「早く行きましょう」なんて言ってこの場を立ち去ろうとする。
──…ムカつくっ
堪えきれず、ご令嬢がくっついている方と反対側の仁睦さんの腕にギュッとしがみついて…負けじと自慢のFカップを押し当てて対抗して見せた。
どちらが先に仁睦さんに引き剥がされるか、、