極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


「っあ……しかし、今日はもう遅いですし…先におやすみになられた方がっ」


「ううん、帰ってくるって言ってたから…玄関で待ってる。出て行ったりしないから、お願い」



手を合わせて上目遣いで”お願い”のポーズをとって見せれば…頬を赤らめて私から目をそらす染谷さん。


──これこれ、この反応!これだよ…仁睦さん!健全な男子であればみんなこうなるのだよ!!



「な…なら、、自分もお供致します」


少しお待ちください、と言われ…ボーッと突っ立っていると毛布を抱えて現れた染谷さん。



「お風邪でも引いてしまうと、若が心配されますので」



なんて、色んな意味でキュンとする言葉をくれた染谷さんは「行きましょう」と言って私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれた。



広い玄関に着いてすぐ、私の身体に毛布をグルグルと巻き付ける染谷さん。床にも厚手のタオルを敷くという徹底ぶり。



「この格好で出迎えたら、お兄ちゃん驚くだろーね」


「確かに…驚かれるでしょうね。しかし、薄着で待たれているよりもこっちの方がきっと…若は安心されると思いますよ」


「そーかなぁ…?ちょっと恥ずかしいなぁ…ダルマさんみたいで」


「そんな事ないです。お嬢はいつも可愛らしいですよ」



新次郎とはまた違うタイプの褒めて伸ばすタイプの染谷さん。彼と一緒に居ると悪い気はしない。何を言っても怒らないし、暴言を吐いたりしないのでこちらもつい甘えてしまう。


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