極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


「……お兄ちゃん、まだあの人と一緒なのかな」


「あの人…というのは、美園グループの…?」


「うん…許嫁のセクシー姐さんレイナ。あんな性格悪そうな人のどこがいいんだろう…ねぇ、そう思わない?」



っと、あまりに話しやすいがゆえに…つい本音がポロッと出てしまった。



「……まぁ…性格がいいかどうかは別として、若があの方に対して特別な情をお持ちになっているとは思えません」


「……え?」


「政略婚…みたいなものなので。うちは美園グループの資金が欲しいし…向こうは裏社会との繋がりや最大の後ろ盾が欲しい。そういう都合での婚姻だってことは皆が知っている話なので…」


「それって…簡単に辞退することは出来ないの?」


「……少なくとも、会長の許可が得られない限りは…若の独断で決めることは不可能かと。」



──…終わった。


仁睦さんが足掻いたところで会長サマの一言で明日にでも籍を入れられてしまったら…本当に終わりだ。



なにか手を打たないと、どーにかして会長サマに私のことを気に入ってもらって…それからっ、



「……確かに、妹であるお嬢としては複雑ですよね」


「……え…?」


「ご存知の通り若は…会長の本妻である奥様のご子息ではなく…愛人で居られる方のご子息なので─…本来、若頭になるべき方では無かったんです」



……え、そーなの?!


「えっと…ちなみに、本妻のご子息というのはっ」


「…あれ?ご存知無かったですか?とても仲が良さそうに見えたので、既に承知の上かと、、」



ん?仲が良さそう…?


一瞬頭の中をお世話係サブである最近サボりがちのランプの魔人の姿が過ぎった。



……いやいや、まさか!そんな…ないないない!っえ…ないでしょ?うん…だって彼は仁睦さんの一番信頼出来る若頭補佐…新次郎、でしょ?


< 178 / 214 >

この作品をシェア

pagetop