極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


「セクシー姐さん麗奈に拉致監禁されてるのかと思って心配した」


「真っ直ぐ帰ると約束しただろ、俺が嘘をついたことがあるか」


「おそらく、ないと思います」


「おそらくも何も、一度もない」



髪を撫でてくれる仁睦さんの手が温かくて…私も仁睦さんの背中に手を回してギュッと力いっぱいくっついた。



「お前との約束は必ず守る。だから、部屋を出て俺を待つようなことは今後やめろ」


「……なんで、ダメなの?」


「俺が、心配だからだ」


「…しんぱい?」


「舎弟とはいえ、魔が差してお前に手を出す可能性だってあるしな。新次郎の時みたいな…接触事故だとかいう言い訳はもう通用しねぇぞ」



そんなこと言うなら…早く帰ってきてくれたらいいのに。でもそれが無理だから、いまこうやって話してくれてるのかな。─…そんなことより、



「言い訳が通用しないって、それって…」


「あの時とは違う…お前はもう俺の、だろ?」



──…俺のっ…?



「だから、俺以外の人間に触れられるのは浮気だってことだ。浮気は絶対にしない、って…お前俺に言ったよな?…約束は守れよ、英里」



うぅっ…尊い。尊すぎる。自らの意思ではなく勝手に決められた許嫁。そのこと自体が解決したわけではないが…仁睦さんにはきっと考えがあるのだろう。



「〜…っ、大好きです!!このまま私の初めてを貰っていただいてもっ、」


「─…断る、風呂に入ってくるからお前はもう大人しく寝てろ。起きて待ってたら三日無視する」



ブレないなぁ、ほんと。そーいう所も大好きです




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