極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
極道と鬼ごっこ始めました。
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あの日、染谷さんに聞いた衝撃の事実を仁睦さんにも新次郎にも聞く勇気なんてなくて…何も知らないフリをして今まで通り生活をしていた矢先、
大学の構内でお昼を食べようと紗弓を探し歩いている私の元に─…
「妹さん、ごきげんよう」
突如として現れた、セクシー姐さん麗奈。
うちの大学は学生ではなくても食堂を利用できたりするので……どうやって侵入したのか、なんて聞かなくても彼女がここに居ることは特に不思議なことではない。
「どうも……」
と、一度深く頭を下げてからすぐに立ち去ろうとした私の腕を麗奈さんが掴んだ。
「─…パンケーキ、食べに行きましょう?」
約束したでしょ?なんて恐ろしい文言と一緒に笑顔でそう言った彼女を見て鳥肌が立った。約束した記憶なんてない。仁睦さんだって断ってくれてたのにっ─…
「一度、話し合う必要があると思わない?」
その言葉には…少し共感できる部分があった。もし許されるのなら私だって…この人とは直接話してみたいと思っていた。