極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「……英里、」
「あ……ちがっ、これは」
「なぜ、黙ってた?」
どうやら仁睦さんは私が負傷していることに気付いて居なかったみたいで…っというのも、あの煙の中では足元の傷なんて見えなかっただろうし、すぐに車から降りてその後は向こうの男の人に絡まれて私に目を向ける暇なんてなかったはずだ。
だからまぁ…私が黙っていれば、このままやり過ごせたのかもしれない。
「私も…いま思い出してっ、」
「っ、殺しておくべきだった」
「そんなっ…ちょっとした切り傷だよ!すぐに治るっ…もう痛くないっ、」
「……この責任は、必ずとる」
私よりも辛そうで…痛い思いをした、みたいな表情を浮かべる仁睦さん。……そんな顔しないで。
彼の両頬に手を当てて、グッと顔を近づけてみせると…宝石みたいな綺麗な瞳に私の姿が揺れて映った。
「……大好き、迎えに来てくれてありがとう」
一瞬、目を見開いた彼の隙をつくように…頬に手を添えたまま、ぶつけるようなキスをして笑って見せれば、、「足りねぇよ」っと言って再び唇を塞がれるという無限ループ。
そんな私たちの様子をミラー越しに見ていた剛田さんが、気を利かせてわざと遠回りをしてくれているなんてことを……私は知るはずもなかった。