極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「……じゃあ、一緒に寝てくれますか?」
「あぁ…そのつもりだ」
「腕枕して、ギューとハグのオプション付き?」
呆れ顔で私を見ながら頷いてくれる仁睦さんを見て心臓がキュッと締め付けられる。
いつからだろう、こんな風にいろんな表情の仁睦さんを見られるようになったのは。初めの方なんてほんとに冷たかったし常に無表情だったのに。
お屋敷の中に入り、いつもの部屋に一緒に入ってすぐ…私を座らせると太ももの切り傷の手当をしてくれる仁睦さん。
「……痛いよな」
って、私より顔を歪めて消毒をしてくれる彼が愛おしくて…痛みなんてものはもはや感じない。というより本当にちょっとした切り傷だ。
「全然平気です。だからそんなに辛そうな顔しないでください」
「……怖い思いをさせて、悪かった」
それこそ、仁睦さんが謝ることではないのに。
「麗奈と一緒だったんだろ?お前と別れてすぐに秒で後悔したみたいで自分から俺に連絡してきたんだ。”英里を助けろ”って─…」
「……そうだったんですね」
「車体とナンバーを聞いてたから、すぐにお前が乗ってる車を特定出来たが…バイクの方が早く辿り着けるだろうから先に新次郎に向かわせた」
「仁睦さんは……?」
「車で向かいながら…お前の拾ったカードの中に入ってたデータをネットに流した。」
手を止めて自身のスマホを取り出すと、しばらく操作してから画面を私に向けた。