極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


ネットニュースだと思われる記事が表示されていて”政界を揺るがすとんでもない事態が起きた”という見出しとともに複数の政治家の顔写真が載っている記事。



「政治家と裏社会が繋がってるなんてよくある話だが…それを世に公表されたとなると、こいつらはもう地獄に落ちるしか無くなる」



「……え…?」


「お前が拾ったのは…政治家と裏の人間が関わってる情報と闇取引の顧客のリスト。ネットでデータを送ったりせずにわざわざ持ち歩いて管理するアナログなやり取りをしてたのは…パソコンやタブレットに情報を残さない為」


「え…っと、それはつまり、」


「これを世に流せば関わった政治家も裏の人間も痛い目にあうことは分かってた。よくある話だ…公表すればウチもタダじゃすまない。和睦を結んでる組を裏切ることにもなる。だから物を返せと言われればお前に関わらないことを条件に素直に応じてやるつもりだった。」




それって…仁睦さんは既に、私の家に火を放った人たちを知っていたってこと?




「お前の友達だとかいう双子の一件があってから闇バイトを持ちかけてる連中を辿っていくうちに…黒幕を突き止めた。しばらく様子を見ようと泳がせてたつもりが…まさか麗奈と繋がってたなんて。それは誤算だった。」



「……じゃあ、情報を流したのって」


「英里に手を出されたから─…余計な遠慮はナシにして全て公表することにした。って、これは全部俺の独断で会長になんの断りもなく勝手に動いた…俺の身勝手な行動に過ぎない」



深くため息をついてから、切なげに私と目を合わせた推しは─…



「俺はそのうち、お前の好きな”若頭”では無くなるだろうな。破門…なんかで済むかどうか分からないが、何らかの責任を負うことにはなると思う」



……どういうこと?



「まぁ今すぐにどうなるって話でもない、少なくともお前が笑って日の下を歩けるようになるまでは一緒に居てやる」



嘘はつかない、なんてよく言えたね。私のことを貰ってくれるという約束は…どこに消えたの?




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