極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「私を殺すのは、仁睦さんなんでしょ?」
「………は?」
「”お前を殺すのは俺だ”って…過去に言われた記憶があります。」
「あぁ…あれは別に、深い意味はない。理不尽に俺に”殺す”なんて言われたら”何でだ”って考えるだろ?死にそうな時、そんな意味分かんねぇこと言われたらうっかり死んでられねぇだろ。だからだ」
……深い意味は無い、って?
いやいや、意味深すぎるじゃないですか!!
「あの火災現場でお前を見た時、正直もう助からねぇんじゃねぇかって思った。だから話しかけた。俺はお前を死なせたくなかった」
初めから…出会った日から仁睦さんはいつも私のことを助けてくれた。お屋敷から逃がしてくれたし…きっと根はとても優しい人なのだろう。
極道の世界で生きようと決めた彼の真意は分からないが…もしかしたら今までずっと葛藤しながら生きてきたのかもしれない。
「……辞めちゃえばいーじゃないですか。二人でどこか遠く、ネットもWiFiもない…ものすごい田舎町で細々と暮らすって…どうですか?」
仁睦さんと一緒なら、私はどこででも生きていける。ということを伝えたくて言ったのに…
「本当に、兄妹だな……昔、ユキにも同じことを言われたことがある」
なんて、急に兄の話題になって首を傾げる。