極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
極道の推し活はエイエン。
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あれから1週間ほど経ったが、仁睦さんは特にこれまでと変わらず日中は忙しそうにして私の相手をしてくれることはなかった…とはいえ新次郎が不在のため、大学の送り迎えには必ず仁睦さんが来てくれた。
「わーいっ、仁睦さんのお迎えだぁ〜」
「すっかり慣れたもんだな…もう俺じゃなくても車に乗れるんじゃないのか?」
剛田氏の運転の元、私を迎えに来てくれた推しの膝の上の席をしっかりとキープして…シートベルトという名の彼の腕を腰に巻き付けてルンルン気分で御屋敷までの道のりを過ごす。
「無理です、推しのプレミアムシート以外は受け付けません。これからも仁睦さんの膝の上でドライブをっ、」
「あー…言い忘れてたが、今日はこれから新次郎の見舞いに行く。」
「…っ、え?!新次郎のお見舞いっ?!いいの?」
「あぁ、意識が戻ったらしい」
…………なんて言った?
っえ、いま…なんて言ったの?!
「し、新次郎……意識無かったの?何で、すぐ戻るって言ってたのに、」
「あの状況で新次郎のことを伝えたら、お前にまた余計なトラウマみたいなものを抱えさせるような気がしたから……黙ってた」
「そんなっ…だからって、、」
「……黙ってて悪かった、お前を傷つけたくは無かったんだ」
そんな言い方をされると、もう何も言えなくなってしまう。