極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜


「……好感度が1、プラスされました」


「……は?」


「優しいですね。私のために忠告してくれるなんて、新次郎さんはいい人です」


「幸せな頭してんな?俺はお前を助けないって言ってんだよ。馬鹿かよ」


「本当に悪い人なら、最初から”助けない”なんて言わないと思う。いざという時がきて初めて裏切る人の方が悪人だと…私はそう思う。」




だから、新次郎は悪人じゃないね?


っと言って笑って見せれば…彼は少しだけ目を見開いて瞳を揺らした。




「……物は言いようだな。俺はお前が思うような人間じゃない。目の前で人が死んでも助けようとは思わない…そんな、ゴミクズみたいな人間だ」



手に持っていた私の家宝のジャケットをそっと私に手渡すと─…



「後払いってことにしてやるよ。きっちり五万支払えよ?あ…これ、若頭には内緒だから」



なんだかんだ私からお金を取ることなく、物だけを置いて出ていくあたり─…やっぱり新次郎はいい人だと私の中で認識された。


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