極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「…では、失礼します」
背後で新次郎が部屋を出ていく気配を感じたので、慌てて仁睦さんから離れて新次郎の腕を掴んだ
「……何のつもり、、、ですか。」
うっかり、先程までと同様の怒り口調で私に話し掛けようとした新次郎だが…私のバックにいる若頭サマの存在を思い出したのかカタコトの敬語を話す姿が面白くてクスッと笑ってしまった。
「私のお世話をしてくださり、ありがとうございました。おかげで寂しくは無かったです」
お礼を告げてから手を離せば、拍子抜けしたように静止した新次郎は…少しして軽く頭を下げてから部屋を出ていった。
いま、伝えたいと思うことは…なるべくその時に伝えるようにしている。明日も会えるとは限らないから─…
「ずいぶんと、距離を縮めたみたいだな」
「………はい?」
「新次郎は嫌だ…なんて俺に縋ってきた割に、やけに簡単に懐くんだな」
頭上から嫉妬のような発言が聞こえてきて自分の耳を疑った。