極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
「……あの、」
「まだ何かあんのか?」
出ていこうとする彼を声だけで呼び止めると、意外にもすぐに振り返って答えてくれた神推し
「仁睦さんが帰ってきたってことは、新次郎じゃなくて仁睦さんを呼び出していいってことですか?」
「………まぁ、用があるなら」
「Hey 若!って言えば来てくれる?!それとも推し?!それとも…かれしっ、」
「忘れたのか?ここではお前は俺の妹ってことになってる。それなりの呼び方、色々あんだろーが」
あーあ…なんことだ。
ある意味、先に一線を引かれてしまったような気がする。この状況から彼女枠に昇格するのは容易ではないぞ。
「……Hey、お兄《にぃ》」
「そのアホっぽい呼び出し方は何とかならないのか?いい笑いもんだな」
「いいじゃないですか…私はここの人間では」
「あぁ…悪いとは言ってない。何かあれば俺を呼べばいい。少なからず巻き込んだ責任は取るつもりだ。家を燃やされた後に言っても信憑性に欠けるかもしれないが…今後お前に危害が加えられるようなことはもう二度と起こらない。最期まで、俺が面倒みてやるよ」
ぴゅ〜…ドンッ、と脳内で打ち上げ花火が爆発点火するような発言が飛び出したことにより、思考回路は完全にストップする。
これはもしや─…両思いフラグ確定案件では?