極道の推し活、始めました。〜クールな若頭は童顔女子大生を寵愛して離さない〜
トラウマというものが自分の中にも存在するのか─…事故にあったあの日から車に乗ることが出来なくなった。パニック…というか、手の震えから始まり最終過呼吸のようになって…よく祖父母を困らせたことは今もよく覚えている。
でも別にそれを不幸だと思ったことは一度もないし、車に乗れないからと言って生きていけない訳でもない。
まぁ…遠足や修学旅行は全部欠席したことだけは未だに悔いに残っているけど─…それ以外で困ったことなんて、今まで生きてきて感じたことは無い。
だから…新次郎には申し訳ないがこのまま徒歩で通学することをどうか許可して貰いたい。誰にだって知られたくない秘密くらい…あるでしょ?
「……あ、英里〜!おはよ」
「あー!紗弓っ!おはよ…ってもうお昼だけどね?」
大学の近くで偶然紗弓に遭遇したので、隣にいる新次郎を置き去りにして紗弓の元まで走った
背後で舌打ちする音が聞こえたがもちろんそんなものは無視だ。