呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
昼夜を問わずハンナに求愛しているくらいなので、エリオットはとても元気ではあるのだけれど……持病の咳はやはりあいかわらず続いている様子だった。
ハンナは心配して、色々な薬やら民間療法やらをすすめてみたのだが、そのなかでもナーヤの見つけてきてくれた薬湯は効果があったようだ。喉がすっきりするとエリオットは喜んでいた。
「かしこまりました。注文しておきますね」
ナーヤの去った部屋で、ハンナはひとり出窓に肘をついて外を眺めた。
(ええっと、今夜は夜会に招かれているのだったわね。ドレスは何色がいいかしら)
取り留めなく思考を巡らせていると、美しいさえずりとともに一羽の鳥がやってきてハンナの肩に止まった。
「あら、さっきの子ね。また遊びに来てくれたの?」
虹色の羽を持つ小鳥だ。まるで返事をするように、ピチチと鳴く。
「ふふ。仲良くなりたいから、名前をつけてもいいかしら」
エリオットの花によく似た小鳥。
「エリーはどう? かわいらしいでしょう」
黒い、つぶらな瞳がハンナのほうを向く。
「賢い子ね。私の言葉をわかっているみたい」
そっと頭を撫でると、どこからか声が聞こえた。
天から降ってくるような不思議な音だ。
『やっと……呼んでくれた。やっと……名前を与えてくれたわね』
「え?」
ハンナは心配して、色々な薬やら民間療法やらをすすめてみたのだが、そのなかでもナーヤの見つけてきてくれた薬湯は効果があったようだ。喉がすっきりするとエリオットは喜んでいた。
「かしこまりました。注文しておきますね」
ナーヤの去った部屋で、ハンナはひとり出窓に肘をついて外を眺めた。
(ええっと、今夜は夜会に招かれているのだったわね。ドレスは何色がいいかしら)
取り留めなく思考を巡らせていると、美しいさえずりとともに一羽の鳥がやってきてハンナの肩に止まった。
「あら、さっきの子ね。また遊びに来てくれたの?」
虹色の羽を持つ小鳥だ。まるで返事をするように、ピチチと鳴く。
「ふふ。仲良くなりたいから、名前をつけてもいいかしら」
エリオットの花によく似た小鳥。
「エリーはどう? かわいらしいでしょう」
黒い、つぶらな瞳がハンナのほうを向く。
「賢い子ね。私の言葉をわかっているみたい」
そっと頭を撫でると、どこからか声が聞こえた。
天から降ってくるような不思議な音だ。
『やっと……呼んでくれた。やっと……名前を与えてくれたわね』
「え?」