呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
彼らはエリオットに親切でもなかったが、意地悪ということもなかった。別に恨みも憎しみもない。
だが、彼らが自分より上の評価を得ているかぎり、エリオットは王になれない。
自分は玉座を手に入れなければならなかった。ハンナとそう約束したから。
なので、少しばかりライバルの足を引っ張らせてもらった。
彼らの悪事を暴いてみたり、三人が疑心暗鬼になって互いを邪魔し合うようにしたり、その程度のささやかな妨害だ。
これまで完璧だった三人の評判にほんの少し傷がついたタイミングで、自身が六大精霊使いになったことを華々しく公表。
それだけで、王位は簡単に転がり込んできた。
ようするに、ハンナを手に入れるためにエリオットは彼らを蹴落としたのだ。
だが、それはこの国の王宮が望んだこと。代々、野生の獣のように兄弟で蹴落とし合い、生き残った者が玉座につく仕組みを踏襲してきた。エリオットはそのルールに従っただけとも言える。
それに、この玉座は〝少し借りている〟だけ。最初から、いつかは返す予定でいた。
ただし――。
「返還先は、フューリー兄上かと思っていたけど……どうやら様子が変わってきたね」
だが、彼らが自分より上の評価を得ているかぎり、エリオットは王になれない。
自分は玉座を手に入れなければならなかった。ハンナとそう約束したから。
なので、少しばかりライバルの足を引っ張らせてもらった。
彼らの悪事を暴いてみたり、三人が疑心暗鬼になって互いを邪魔し合うようにしたり、その程度のささやかな妨害だ。
これまで完璧だった三人の評判にほんの少し傷がついたタイミングで、自身が六大精霊使いになったことを華々しく公表。
それだけで、王位は簡単に転がり込んできた。
ようするに、ハンナを手に入れるためにエリオットは彼らを蹴落としたのだ。
だが、それはこの国の王宮が望んだこと。代々、野生の獣のように兄弟で蹴落とし合い、生き残った者が玉座につく仕組みを踏襲してきた。エリオットはそのルールに従っただけとも言える。
それに、この玉座は〝少し借りている〟だけ。最初から、いつかは返す予定でいた。
ただし――。
「返還先は、フューリー兄上かと思っていたけど……どうやら様子が変わってきたね」