呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
ナパエイラに着いてすぐ、エリオットはハンナに関するいくつかの情報をつかんだ。
まずひとつめは、闇の精霊ハーディーラの存在がナパエイラに広まっていたこと。
(ハンナは俺との約束を覚えていてくれたんだな……)
遠く離れてしまっても、彼女のなかに自分が存在していた。その事実だけで目頭が熱くなる。
そんなエリオットを横目に、ハーディーラは呆れたように天を仰ぐ。
「なんでそこまで……あの女に執着する? 権力を得た今のお前なら、いくらでも美女が寄ってくるのに。正直、女ひとりのことでお前の魔力がここまで増幅するとは予想外だった。この俺が完全に使役されるなど」
「聞かなくてもわかるだろう? クロはずっと、俺たちを見ていたんだから」
「……全然。さっぱりわからんな」
クロは嘘が下手だな、とエリオットは思った。
つかんだ情報のうち、残りのふたつは最低最悪だった。
「白い結婚? 愛人がいるってどういうことだ?」
「そのまんまの意味だろう。ちんちくりんの夫には、とんでもなく色っぽい身体をした愛人がいるらしい。ま、女の趣味はお前よりマシなんじゃ――」
エリオットに胸ぐらをつかまれ、ハーディーラは最後まで喋らせてもらえなかった。
「こっちの情報でそんな顔をされると……最後のひとつを言い出しにくくなるんだが」
まずひとつめは、闇の精霊ハーディーラの存在がナパエイラに広まっていたこと。
(ハンナは俺との約束を覚えていてくれたんだな……)
遠く離れてしまっても、彼女のなかに自分が存在していた。その事実だけで目頭が熱くなる。
そんなエリオットを横目に、ハーディーラは呆れたように天を仰ぐ。
「なんでそこまで……あの女に執着する? 権力を得た今のお前なら、いくらでも美女が寄ってくるのに。正直、女ひとりのことでお前の魔力がここまで増幅するとは予想外だった。この俺が完全に使役されるなど」
「聞かなくてもわかるだろう? クロはずっと、俺たちを見ていたんだから」
「……全然。さっぱりわからんな」
クロは嘘が下手だな、とエリオットは思った。
つかんだ情報のうち、残りのふたつは最低最悪だった。
「白い結婚? 愛人がいるってどういうことだ?」
「そのまんまの意味だろう。ちんちくりんの夫には、とんでもなく色っぽい身体をした愛人がいるらしい。ま、女の趣味はお前よりマシなんじゃ――」
エリオットに胸ぐらをつかまれ、ハーディーラは最後まで喋らせてもらえなかった。
「こっちの情報でそんな顔をされると……最後のひとつを言い出しにくくなるんだが」