呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
エリオットの侍医であるコッポラ先生は、いつもどおり王宮内の診療室にいた。
話をしたいとハンナが申し入れると、こころよく部屋に招き入れてくれる。
「なんでしょうか、王妃さま」
思慮深そうな瞳を、彼は優しく細めた。
「陛下の体調の件で、おうかがいしたいことが」
「あぁ。魔獣討伐で消耗しているのでしょう? 申し訳ありませんが、魔力消耗による体調不良は私の管轄ではないのですよ。そちらについては、魔法研究所に専門の診断士たちが……」
魔力の不調は魔法研究所へ、純粋な体調不良は彼のような医師へ相談するのが通例だ。
「それは存じております。先生に聞きたいのは、陛下の持病のことです」
ハンナの鋭い視線を受けて、彼の瞳がほんの一瞬だけ大きく見開かれる。
「あぁ、はい。喉の不調の件ですね」
ごまかすように慌てて喋り出したが、その態度はハンナの疑惑を深めただけだ。
「先生と陛下は、いったいなにを隠しているのですか?」
「い、いや、その……」
「話してください」
ハンナに詰め寄られ、コッポラ先生は観念したように口を開いた。
「申し訳ありません。陛下に口止めされていたのです……」
彼も、心のどこかで隠しておくべきではないと思っていたのだろう。ハンナにすべてを明かしてくれた。
「そんな―ー」
信じがたい……いや、信じたくない。
「陛下の余命が……あとわずか……」
話をしたいとハンナが申し入れると、こころよく部屋に招き入れてくれる。
「なんでしょうか、王妃さま」
思慮深そうな瞳を、彼は優しく細めた。
「陛下の体調の件で、おうかがいしたいことが」
「あぁ。魔獣討伐で消耗しているのでしょう? 申し訳ありませんが、魔力消耗による体調不良は私の管轄ではないのですよ。そちらについては、魔法研究所に専門の診断士たちが……」
魔力の不調は魔法研究所へ、純粋な体調不良は彼のような医師へ相談するのが通例だ。
「それは存じております。先生に聞きたいのは、陛下の持病のことです」
ハンナの鋭い視線を受けて、彼の瞳がほんの一瞬だけ大きく見開かれる。
「あぁ、はい。喉の不調の件ですね」
ごまかすように慌てて喋り出したが、その態度はハンナの疑惑を深めただけだ。
「先生と陛下は、いったいなにを隠しているのですか?」
「い、いや、その……」
「話してください」
ハンナに詰め寄られ、コッポラ先生は観念したように口を開いた。
「申し訳ありません。陛下に口止めされていたのです……」
彼も、心のどこかで隠しておくべきではないと思っていたのだろう。ハンナにすべてを明かしてくれた。
「そんな―ー」
信じがたい……いや、信じたくない。
「陛下の余命が……あとわずか……」