呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
「もうっ! 私は美しい結末が好きなのに。余計なネタバレはしなくていいの」
ルミエルネの魔法がどういう原理なのかは正直わからない。けれど……大事なのはそこではない。
対価、つまりハンナの命を差し出すことなく、エリオットは健康体に戻った。
(じゃあ、私もエリオットさまも、これからも生きられるってこと?)
ハンナはバッと隣のエリオットに顔を向ける。彼はハンナの大好きな、幸せいっぱいの笑みを浮かべた。
「――そういうことのようなんだ。ハンナ。これからも私と、シワシワの老夫婦になるまで一緒に生きてくれるか?」
どうしようもなく目頭が熱くなった。エリオットの笑顔をずっと見ていたいのに、視界が涙でにじんで彼の姿がぼやけていく。
「私のために寿命を削るなんて馬鹿なことを、二度としないと約束してくださるなら」
「それは、こちらの台詞だな」
ふたりはぷっと同時に噴き出した。ハンナは愛する人を見つめ、返事をする。
「私はエリオットさまのために長生きします。だからあなたも――」
「あぁ。ハンナのために生きるよ」
エリオットはそっと、ハンナの手を取り、白い甲に恭しく唇を寄せた。
「心から、君を愛している」
ハーディーラとナーヤがさりげなく背を向けてくれる。
ルミエルネだけはキョトンとしていて、ハーディーラに無理やり顔の向きを変えさせられた。
「無駄に長生きしてるくせに、気がきかない女だな」
ルミエルネの魔法がどういう原理なのかは正直わからない。けれど……大事なのはそこではない。
対価、つまりハンナの命を差し出すことなく、エリオットは健康体に戻った。
(じゃあ、私もエリオットさまも、これからも生きられるってこと?)
ハンナはバッと隣のエリオットに顔を向ける。彼はハンナの大好きな、幸せいっぱいの笑みを浮かべた。
「――そういうことのようなんだ。ハンナ。これからも私と、シワシワの老夫婦になるまで一緒に生きてくれるか?」
どうしようもなく目頭が熱くなった。エリオットの笑顔をずっと見ていたいのに、視界が涙でにじんで彼の姿がぼやけていく。
「私のために寿命を削るなんて馬鹿なことを、二度としないと約束してくださるなら」
「それは、こちらの台詞だな」
ふたりはぷっと同時に噴き出した。ハンナは愛する人を見つめ、返事をする。
「私はエリオットさまのために長生きします。だからあなたも――」
「あぁ。ハンナのために生きるよ」
エリオットはそっと、ハンナの手を取り、白い甲に恭しく唇を寄せた。
「心から、君を愛している」
ハーディーラとナーヤがさりげなく背を向けてくれる。
ルミエルネだけはキョトンとしていて、ハーディーラに無理やり顔の向きを変えさせられた。
「無駄に長生きしてるくせに、気がきかない女だな」