呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
エピローグ
エピローグ

 あれから、七年。

 オスワルトは春の国。今日も穏やかな太陽が、国民たちの活気あふれる生活を見守ってくれていた。

 王宮の中庭に設置されている白い屋根の東屋で、ハンナはナーヤの入れてくれたお茶をゆったりと楽しんでいた。

 虹色の花の絨毯の上で、愛する夫と三歳になるかわいい娘アンジェラが楽しそうにじゃれ合っている。

 その奥ではハーディーラとルミエルネがもはや恒例になった口喧嘩を繰り広げていた。

(幸福、を絵に描いたような毎日だわ)

 恐れ多くなるほどの幸せな日々を、ハンナは神に感謝して噛み締める。

「それにしても……王妃さまの美しさは羨ましいかぎりです」

 隣に控えていたナーヤがハンナを見つめて、しみじみと言った。

「え?」
「年々、あでやかさを増していて、同性の私でも見惚れてしまいますわ」

 ハンナはふふっと口元を緩ませ、ナーヤに秘密を打ち明けた。

「エリーは魅了魔法も得意分野だから。別に頼んではいないのだけど、一緒にいるとなにか影響を受けるのかもしれないわ」
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