呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
 後ろ暗い計画を語るエヴァンの首根っこを、エリオットがつまみあげる。

「仮にも父親に対して、冗談でもそんな発言は――」

 父親らしく真面目に説教をしようとした彼を遮って、エヴァンはベ~と舌を出す。

「僕は本気だからね! 覚悟しておいてよ」

 呆れてものが言えなくなっているエリオットの後ろで、ハーディーラとルミエルネがクスクスと笑っている。

「父親そっくりだな」
「アンジェラも大変ねぇ。こんな父と兄で。困ったときは私が助けてあげるからね!」

 ルミエルネに抱き締められたアンジェラはキョトンと小首をかしげている。

 エリオットはハンナの隣に腰をおろして、ぼやく。

「君を巡るライバルは手強くなる一方だな。消されないよう、私も精進せねば」

 真剣に表情を引き締めるエリオットがおかしくて、ハンナはぷっと噴き出す。

「私は世界一、幸せな妻。そして世界一、幸せな母にもなれました。――エリオットさまの愛のおかげです」

 甘やかな声でささやいて、ハンナはそっとエリオットの頬に唇を寄せた。

                                                 END



 
 
 
  
 
 
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